2012年8月31日金曜日

東京物語

先日、「東京に住んで何年ですか?」と言われて、
よく考えてみたら、もう29年目……。
自分でもびっくりです。

「お祭りに遊びに来て、帰らなきゃいけないけど
もう少し、もう少しと思っているうちに、
いつの間にか時間が経ってしまった……」
そんな感じなのです。

初めて東京に住みはじめた、大学時代。
田舎者の私は、都会に来たのが嬉しくて嬉しくて
週末のたびにあちこち歩き回りました。

なかでも一番憧れていたのは、原宿です。
雑誌「オリーブ」を片手に、精一杯のお洒落をして
月に1度は原宿に出かけました。

「これ、リカコちゃんの好きなお洋服のお店だ!」
「雑誌に載っているお店が、ここにある!」
大興奮しながら、同じ長崎出身の友達と一緒に歩き回りました。

おこづかいもそんなにないから
散々迷ったあげくにTシャツ一枚買って
クレープを食べるのがせいぜいだったけど、
楽しかったな~。

田舎から出てきて、ホームシック気味だった私は、
原宿を楽しみに、毎日を生きていました。
あの頃の、ダサくて必死な自分を思い出すと、気持ちがキュンとなります。

そんなあるとき、衝撃を受けるできごとがありました。

同じクラスの、東京生まれ・東京育ちの女の子に
「明日も原宿に行くんだ」と話したところ、
彼女はニッコリ笑って、こう言ったのです。
「へぇ~、私、原宿って一度も行ったことない」

ショックでした。
だって、ずっと東京に住んでるんでしょ?

東京に詳しい人ほど、田舎者の証拠…。
今なら、そのことがよくわかります。

今でも、新宿とか渋谷に行くときは、 気持ちが高揚します。
そして、「もう一軒だけ見ていこう」
「またいつ来れるかわからないし」と
ついつい帰りが遅くなってしまうのも、
大学時代から全く変わっていない私です。

いつかお祭りが終わって、帰れる日が来るのでしょうか?

今でも何冊かは捨てられない「オリーブ」です。

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